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3BLD上達法!

本記事は、Speedcubing Advent Calendar 2016の19日目の記事です。昨日の記事は荒木さんによる「ステッカーレスキューブについて」、明日の記事はユリノキさんによる「MoYu Magnetic Skewbの直し方/擬似LLについて」です。
 ちなみに、11日の記事である、寺田さんの「目隠し練習用スクランブルアプリ」に協力させて頂きました。よろしければそちらもどうぞ。

◆目次
0. はじめに
1. BLDをステップに分割する
2. 自分がBLDを行う際にやっていること
3. それぞれの要素を上達させるために
4. その他のタイムに関係する要素
5. おわりに


0. はじめに
 こんにちは。ルービックキューブの目隠し競技(BLD)をメインでやっているY.Yという者です(以降、"BLD"という表記は特別な断りがない限り3BLDのことを指します)。アドベントカレンダーには去年も参加し、BLD分析時の文字数の確率について、という記事を書かせて頂きました。自分の興味のあることをひたすら書いたので、どれだけの人があの記事から何か得られたのかは分かりませんが……。ということで、今年のアドベントカレンダーではBLDをやっている人にとって役に立つような記事を書こうと思いこのようなテーマを選びました。少しざっくりしたテーマですが、要は自分がBLDを練習して上達してきた過程を振り返り、どういったことを考えながらやってきたかについて書いた、ということです。そのため、なるべく一般的な解説になるように心掛けたつもりではありますが、多少は自分の主観が入ってしまい、他の人には当てはまらない部分もあると思います。その点はご容赦ください。また、様々な要素について欲張っていろいろ書いた所これだけの分量になってしまいました。長すぎ!読むの面倒!って人もいると思いますが、気になった部分だけでもいいのでかいつまんで読んでみて下さい。

 また、上達法ということで、この記事は3BLDのやり方を一通り知っている人、目隠しですでにある程度の精度で揃えられる方(初心者くらいの人)以上を対象として書かれているため、BLD関連の専門用語がどんどん出てきます。難しい用語は使っていないつもりですが、もし分からないことがあったらCube VoyageのBLD用語集を見て頂ければ大体のことは載っているはずです。

 ここで、本文に行く前にちょっとした経緯について話そうと思います。日本の3BLD界は解法の問題もありしばらく伸び悩んでいたみたいですが、2013年頃からトップ層が解法を普及してきたおかげで2014年から2015年にかけてsub60達成者が大量に出てきました。自分もその時期に本格的にBLDを始めた一人です。その流れでどんどん上達し2015年にはsub60達成し、今年は平均でsub40を出せるまでになりました。ですがここで周りを見てみると、2015年の日本大会で自分が新たにsub60を達成して以降新しくsub60を出した人はいません(出せる実力のある人は何人もいますが、それを考慮しても減ってきているように感じます)。sub50についても自分が2015年の日本大会で達成して以降誰も達成していません。これは別に誰が悪いという訳でもなく、競技によって流行り廃りの時期があるのは当然の事でしょう。とはいえ世界的には3BLDのタイムはどんどん伸びてきています(2015年頃はWR100位ラインが50秒弱でしたが、その1年後sub40しそうなまでになっています)。自分が日本人トップ層の記事を見てBLDのモチベーションを上げることができたのだから、今度は自分がそういった記事を書ければいいな、日本のBLDのレベルアップに貢献できたらいいな、そういった思いでこの記事を書くことにしました。少しでも目標が達成できていれば幸いです。

 今トップ層の話をしましたが、この記事はそこを目指す人のみを対象にしているわけではなく、どのレベルであれタイムが伸び悩んでいる人全てを対象にしています。上達法というと普通はタイムによって様々で、これくらいのタイムの人はこうするべきといった書き方をするのが基本ですが、今回は目標タイムといったものは特に設けていません。どのパートのどの技術ができているかによってタイムは人それぞれなので、そこに統一した目標を設定する意味がないと思ったからです。タイムを指標にするより、どの技術が苦手か、に着目して見てください。その部分を克服すれば、タイムは絶対に伸びます

 今まではBLD関連の記事は記憶に焦点を当てて書かれたものが多かったですが、今回はその他のパートも含め全体的に書くことにしました。BLDというと記憶の面ばかり注目されることが多いですが、実際は記憶以外の部分(分析、実行)も全体のタイムに大きくかかわってきます。そして記憶自体も、記憶以外の部分の完成度に大きく左右されます。そこで、個人的には上達するには記憶以外の部分を伸ばす方が記憶自体を伸ばすよりも効率がいいと考えています(もちろん記憶の上達も大事ですが)。ちなみに、以下の図は現時点で3BLD日本4位の平出くんから頂いた図です。自分もほとんどこれと同意見です。この図についての説明は省略しますが、記事を読み終わる頃には図の真意がわかるようになっているでしょう。


hiraide



 全体的に堅苦しい文章になってしまいましたが、書いてる人はそこまで真面目な人間ではないので何か聞きたいことがあれば気軽に聞いてくださいね(ゝω・)vキャピ


1. BLDをステップに分割する

 BLDに限らず何かを上達させるためには、一連の流れをいくつかの要素に分解し、どの部分ができていないのか、あるいは苦手なのかを把握しながら練習することが一番の近道です。みなさんご存知の通り、BLDは記憶パートと実行パートの二つに大きく分かれますが、記憶/実行を上達させる、と言われても何をどう改善させればいいのかなかなかわかりづらいと思います。そこでこの章では、一般的にBLDを行う際に具体的にどのようなことを行っているのかを明らかにするために、まず分析、記憶、実行の3つのパートに分割し、さらにそれぞれのパートをさらに細かく分割してみました。

 BLDの解法については、ステッカー記憶を用いるもの(Old Pochmann法、M2法、TuRBo、BH methodなど)を想定しています(これらの解法を使うことが上達への第一歩です)。それでもやり方に多少の個人差は出てくるとは思いますが、大まかな流れは共通していると考えています。

【分析】
 キューブを記憶する前に、まずは崩されたキューブの配置を読み取らないといけません。このパートを分析と呼びます。実際に考えてみるとわかると思いますが、分析と記憶のパートを厳密に分けるのは結構難しいです。ですがここでは頑張って区別します。

[1-1] buffer(または次のパーツがある場所)に存在するパーツを見て、対応する文字(場所)を思い浮かべる(場所を直接覚える記憶法を用いるのであれば文字は思い浮かべない)
figure1

[1-2] 次のパーツの場所を見る
figure2

以下ループが切れるまで[1-1] 、[1-2]を繰り返す

 ループが切れた場合
[1-3] まだ分析していない場所を探す(EOが存在する場合も同様に)
以下ループが切れるまで再び[1-1]、[1-2]を繰り返す
 
上記のループの途中で適宜記憶に移る(分析と同時に行うことも)
文字を忘れていたら既に分析したパーツを分析し直す

【記憶】
 分析したものを覚えるパートです。といっても人によって使っている記憶の方法は様々だと思うので、ここでは記憶のやり方として代表的な物(と自分が考えている物)をいくつか挙げるにとどめます。

[イメージ記憶]
 文字からイメージを連想することで長期記憶化し、記憶をやりやすくする方法です。二文字から一つのイメージを作り出すレタ―ペアという技術が効率的で、広く使われています(例:あい……アイマスク)。二つのステッカーの組み合わせを直接イメージに結び付けている人もいます。
 こうやって作り出したイメージをストーリーにして覚えることが多いです(例:あいうえ……アイマスクを上に付ける)。
[音記憶]
 名前からは少しイメージが湧きにくいかもしれません(そもそも正しい名前なのかどうかわかりません)が特に難しいことを言っているわけではなく、記憶する際に特殊な手段を何も用いずにただ暗唱して覚えてしまおう、というだけのことです(英単語を何度も呟いて覚えるみたいな)。覚えるのに時間や手間がかからない反面、覚えた物を忘れやすく、また覚えられる数が限られてきます。
[ビジュアル記憶]
 揃えるべきパーツを、見たまま画像のように記憶してしまうという方法です。EOやCOなど、パーツがその場で反転しているときにこの記憶法を使う人が多いです。その他パーツの動きもこのやり方で覚える人もいます。これも音記憶と同様(かそれ以下)記憶量があまり多くないですが、個人差もあります。
[身体記憶]
 自分の体の一部分を動かしておいて、実行時にその状態から思い出す、という方法です(例えば足を開く、等)。基本的に、動かしているか動かしていないか、の2通りの情報しか得られない、実行時に支障がない程度の動きで済ませないといけない、など制約はありますが、動きさえ自分の中ではっきりしていれば忘れることはないという利点はとても大きいです。

 大体これくらいでしょうか。少なくとも自分が使っている物は以上です。他に記憶法があったら教えて頂けると嬉しいです。

【実行】
 目隠しして、覚えた通りにキューブを回していくパートです。どの解法でもやっていることは基本的に同じで、揃えたいパーツを適切な位置にセットアップし、交換し、逆セットアップする、という流れになります(3styleではコミュテーターも用いるため少し複雑になります)。大きく違うのは、2点交換で揃えるか3点交換で揃えるかという点でしょうか。当然後者の方が速いですが実行時に考えるべきことが多くなり、習得が大変です。

[3-1] 次に実行すべき文字を思い出す
figure3

[3-2] 文字に対応する場所を思い浮かべる(3点交換を用いるのであればこれを2回連続で行う)
figure4

[3-3] 場所をターゲットに持っていくセットアップ手順やコミュテータの手順を考える(あらかじめ覚えていればそれを思い出す)
figure5

[3-4]> 実際に回す

以下[3-1]~[3-4]の繰り返し
文字から直接手順が思い出せれば、[3-2]のステップは省略可。場所を直接覚えているのであれば、[3-1]は省略可。
パリティがある時はパリティ処理を適切なタイミングで行う。


2. 自分がBLDを行う際にやっていること

 BLDを要素に分割できたので、これからそれぞれの要素をどのように上達させていくか述べる……前に、参考までに自分が現在どのようにBLDを行っているのか、どのようにそれぞれの要素をこなしているかについてここでは簡単に書いていきます。といっても自分でもソルブによってやっていることが変わってきたり無意識にやっていることがあったりするので正確性についてはあまり期待しない方がいいです。そのため厳密に理解する必要はなく、これくらいのタイムの人はなんとなくこんな感じでやってるんだな~と雰囲気だけでも掴めれば成長する際の参考になるかな、と思います。ここに書いたものが唯一のやり方という訳ではもちろんありませんし、他のやり方がより優れている可能性は十分ありますが、少なくとも自分がこのやり方で解いてsub40ぐらいまで出しているので、それぞれのパートごとに目標にするのもいいかもしれません。

【分析】
 自分はエッジファーストで解いているため、分析+記憶はコーナーから始めています。パーツを見ると、ほとんど一瞬でそのパーツに対応する文字が思い浮かびます。なのでパーツを追っていくだけで自然と文字列が頭に浮かんできます。ループが切れた場合は、どの文字から再開するかという優先順位を大まかに決めています(コーナーはR面のうち余ってるものから、エッジはU面のうち余ってるものから)。

◆コーナー
 1ストーリー分(4文字)を分析するごとに、記憶パートに移ります。一通り分析+記憶を繰り返したら、最後にストーリーをざっと復習し(しない時もあります)、エッジ分析に移ります。COについては大体分析途中に視界に入ってくるので、その時に場所を覚えておいて最後に記憶します。
 自分はコーナーの透視(2ステッカーのみを見て、死角にある残りの1ステッカーの色を当てること)は行っていません。頑張ればできますが時間も手間もかかるため、普通にキューブを回転させて死角にあるステッカーを見ています。速い人はやっていますしもちろんできた方が速いのですが、難しいです。


◆エッジ
 最初の2ステッカーについては指で押さえて覚えるので文字化しません。その後は音記憶を用いていますが分析しながら暗唱することで分析とほとんど同時に記憶まで行っています。そのため分析中に記憶パートに移ることはほとんどなく(ループが3,4個ぐらいになると、流石に途中で暗唱して記憶することもあります)、基本的に分析が終わってから記憶があいまいだと感じた時に暗唱して確認する程度です。暗唱しながら最初の2ステッカーを再度確認し、実行に入るという流れが基本です。文字列を忘れて分析をやり直すことも基本ありませんが、文字を間違えてそうだなと思った時はちらっと確認します。EOについてはCOと同様です。
 また、分析していないパーツが一つ残った時、それまでのループのねじれを全てカウントしているとその残ったパーツが揃っているかEOであるかを判別することができます。自分は、ループが一つしかない時はこの考え方を使いますが、複数ループの時は使っていません。

 一応分析に注目して書いてみましたが、これだけだとわかりにくいですよね。記憶の部分を読んでからまたここを読み直すとわかりやすいと思います。


【記憶】
 分析の部分と被ってしまう所もありますが、こちらでは記憶の際に何を考え行っているかについてより重点的に解説していきます。

◆コーナー
 先述したレターペアを用いてイメージ記憶を行っています。文字2文字につきイメージ1つを割り当て、基本的にイメージ2個で一つのストーリーを作っています。コーナー分析の文字数は平均で8文字弱なので、2つのストーリーを覚えます。キリが悪い時はイメージ3個で1つのストーリーを作ることもありますが、基本的には4文字分析→ストーリー作り、の繰り返しです。

 COがあった場合は、文字数が偶数の場合は場所をビジュアル記憶で覚え、向きは身体記憶(左足の親指を人差し指の上か下に重ねる)で覚えています(COが複数ある場合はバッファに近い方の向きを身体記憶で覚え、もう片方はノリで)。コーナーの実行の最後に、CO手順を用いて処理しています。
 COがあり文字数が奇数の場合は、COのパーツのうちU面orD面色のステッカーがある場所のみを分析した文字列の最後に加え、COが存在するということを身体記憶(左足の親指)で記憶しています。この時文字列に加え、最後の文字があるパーツのU面orD面をOld Pochmannで処理します。ちょっとややこしいですが、本来COなので2文字余分に覚えなければいけないところを一文字+身体記憶で済ませることで、覚えるべき文字数を減らしているということです。COが複数ある時は最後のCOのみこれを用いて処理します。


◆エッジ
 最初の二文字については指で押さえることで(身体記憶のようなもの)覚えています。といっても分析中にキューブのホールドと混乱してわからなくなってしまうことが多く、また順番もあいまいなので、実行直前に再度ちら見程度に確認することが多いです。
 最初の二文字以外は音記憶で覚えています。つまり特に文字に意味を持たせずに、暗唱のみで覚えています。これにより分析とほとんど同時に記憶することが可能になります。
 
 自分はコーナーを先に分析するので、エッジの分析開始時には既にパリティの有無が判明しています。そこで、パリティがあった場合にはUB、ULのステッカーを逆だと思い込んで分析しています(分かりにくいと思うのでこちらの動画を参考にしてください)。
 ループがあった場合は、普通のやり方だと始点と終点で同じパーツを二回数えることになりますが、自分は終点を文字列に加えていません。ねじれの有無(ループの始点と終点が同じステッカーかそうでないか)を感覚(1個目は右足のかかとの上下で覚えることが多い、それ以降は感覚)で覚えています。
 EOがあった場合は、場所をビジュアル記憶で覚えます。エッジ実行の最後に実行しているため、実行を忘れないように身体記憶(右足の親指)でコーナーと同様に記憶しています。この際、色もなんとなく覚えていると間違えることが減る気がします。2個以上あった時はどうセットアップするかもなんとなく覚えています。自分はビジュアル記憶をEO、COにしか用いていません。

【実行】
 自分は3style(コーナーULB,エッジDFバッファ)を用いています。これはあらかじめ作成した3点交換手順を全て頭の中に入れておき、それを実行するという方法です。
 余談ですが、3styleと似た言葉にBH methodというものがあります。Cube Voyageではコミュテータなどを用いて作成した手順のみを利用する解法のことをBH methodと言い、3styleはそれにこだわらず最適化された3点交換手順を用いる解法を指している、とあります。ですが正直BH methodで用いる手順はほとんど最適化されているため、個人的にはこの二つに厳密な区別はあまりないように感じます。本記事では、日本の慣例に基づいて3styleと書くことにします。

 文字からほとんど一瞬で場所を考え、それに対応する手順をほとんど一瞬で思い出し、実行しています。文字から直接手順を思い出しているわけではないです(その方が速いのは当然ですが、相当な練習量が必要でしょう)。手順はほとんど指で覚えているので、セットアップ、インサートとインターチェンジ(とその順番)までは意識して回しますがその後のそれぞれの逆手順はほとんど無意識に指が動きます
 調子がいい時には手順を回しながら次の文字に対応する手順まで思い出しています(先読み)が、そこまで頭が回らないことも多いです。

 EO、COの処理はそれぞれのパートの最後に行っています。パリティ処理はコーナーの最後の一文字をOP法の手順で処理することで行っています(エッジ交換は上記で書いたような交換分析により、既に行われています)。


3. それぞれの要素を上達させるために

 ようやく上達法の部分に入っていきます。おそらくこの章が皆さんがもっとも読みたい部分でしょうし、自分も力を入れて書いたつもりです。ですが、身も蓋もないですが基本的には実際にBLDを行い数をこなしていくのが一番効果的だと思っています(その他の練習方法もなくはないとは思いますが、自信を持って有効性があると断言することはできないです……)。とはいっても、練習する際に自分に合ったBLDのやり方を上手く選び、また適切な目標を立て、そのためにはどのような改善が必要かに意識を向けないと、練習効率もあまり良くなりません。要するに、闇雲に練習しているだけでは効率が悪いだろうということですね。そこでそれぞれのパート毎に、様々なBLDのやり方の特徴、また上達するにはどういった部分に注目して練習すればいいかについて、この章で書いていきます。

【分析】
[1-1] buffer(または次に分析する場所)に存在するパーツを見て、対応する文字(場所)を思い浮かべる
 ここでは、ステッカーと文字の対応がどれだけ強く頭に染みついているか、がカギとなります。初めのうちは、ステッカーを見て、そのあるべき場所を考えて、さらにその場所に割り当てられた文字が何なのかを考えて……、ととても時間と頭を使ってしまうと思いますが、慣れてくるとステッカー(と同じパーツの別のステッカー)を見るだけで文字が浮かんでくるようになります。自分はそのために特別な練習をしたわけではなく、BLDをやり続けていたらいつの間にかこうなっていました。なのでどういった練習がより効果的かについては分かりませんが、逆に普通に練習していれば身に付く部分だということもできます。強いて言えば、疲れてBLDをするほどの元気はない時に、記憶はせずにただ文字を追っていく、という練習は意味があるのではないでしょうか。少なくとも何もしないよりはいいと思います。

 後述する記憶パートとは異なり、こういった対応の部分はどんな人でも練習すれば絶対に伸ばすことができる、と考えています。ステッカーと文字との対応は言うなればパターン認識であり、そういった能力は誰しも日常的に使用しているからです(ブラインドタッチがいい例だと思います。後天的にも身に付きますし)。とはいっても最初は誰でもできないと思います。自分も最初は全くできませんでしたが、練習を重ねていくうちに気が付いたらできるようになっていました。量をこなすことが大事です。特に最初のうちは大変で頭も疲れると思いますが、頑張って下さい。

 この部分が上達すると分析時に頭をあまり使わなくなり、それにより記憶もしやすくなり、結果的に記憶にかかる時間も短くなります。特にエッジの音記憶については、自分は始めた当初から記憶力自体はほとんど変わっておらず、分析、実行のスピードアップにより結果的に記憶にかかる時間が減ったというのが一番大きい上達要素だったのかな、と感じています。記憶が伸びない、苦手だ、と悩んでいる人はたくさんいると思いますが、そのうち大半の人はこういったことが上手くできていないことにより、自分の記憶を過小評価してしまっているのではないでしょうか(自分もそうでした)。こういった記憶以外のところに改善点がないか考え、意識して練習してみるのがBLD上達の近道だと考えています。

 
[1-2] 次のパーツの場所を見る
 キューブの配色が頭に入っていれば、ここは苦労せずにできると思います。LBL法でクロスを作っている色がU面orD面になるようにBLDの基準面を設定するとわかりやすいと思います。


[1-3] まだ分析していない場所を探す(EOも同様)
 ここは意外と難しいです。というのも、このパートは今まで分析していないパーツのステッカーを選ぶ必要があるからです。さらに、ループが切れた時のみしか練習できないというのもこのパートを難しくしている要因だと思います。

 初心者~中級者のうちは特に、この部分に困らされると思います。分析していないパーツを選ぶには、どこの分析が終わっているかを全て把握していないといけません。最初のうちは文字列を記憶するのに精一杯で難しいと思いますが、慣れてくると感覚でまだ見ていないパーツを把握できるようになります。あらかじめ新しく分析するステッカーの優先順位を決めておくと、どのパーツをまだ分析していないか少し考えやすくなります(エッジについてはU面奥から手前→F面左から右→B面→D面 など)。

 ループが切れた時しか練習できないと書きましたが、実際にループに遭遇する確率はエッジ、コーナー共に5割を超えており(参考)、普通に練習していても十分な数遭遇できます。それに分析の基本的な能力が伸びればループがある場合のタイムについても伸びてくるため、このケースについて何か特別な練習をする必要はないと思います。少なくともsub40ぐらいまでは必要ないです。

 また、2章で述べたように、自分はループの終点を文字列に加えておらず、ループ毎に分けて記憶しています(例:あいう/えおかき/くけこ)(ループが長ければ4文字くらいで適宜区切ります)。ただ、M2法・OP法など2点交換を用いる解法を使っている場合(特にM2法)は、現在の文字数が偶数か奇数かがわかりづらくなってしまうという欠点があります。そのため、3点交換を用いる解法に移行するまではこのやり方は採用せず、偶数文字で区切って覚えた方がいいと考えています(上記の例では、あいうえ/おかきえ/くけこく)。文字数が多くて大変かもしれませんが頑張って覚えましょう。


【記憶】

[音記憶]
 音記憶は短期記憶であり、個人差が大きく分かれます。そして、練習による上達の見込みがあまりないと考えています。ただ分析の改善、実行時間の短縮により、ある程度までは記憶に必要な暗唱回数を減らすことはできると思います。また、実際に声に出すことでより記憶の定着度が上がると思いますが、それでも記憶できる文字数は限られてきます。

 音記憶は記憶にかかる時間が少なく使いやすいため、BLDに使えるのであれば使うべきです。個人的にはエッジに音記憶を用いたほうが効率がいいと考えているので、最初のうちは頑張って(何回復唱してもいいので)エッジを覚えられないか挑戦してみたほうがいいと思います。どうしても難しいのであれば、覚えられる文字数によってどこに利用していくか個人個人で考えてみて下さい。例えば8文字が限界なのであれば、エッジ(平均するとだいたい12文字弱)ではなくコーナー(平均8文字弱)に音記憶を使い、実行にコーナーファーストを採用するというやり方が考えられます。6文字くらいまで覚えられれば、後述する身体記憶(2文字)と合わせてなんとか8文字覚えられるのでコーナーに用いてもいいですが、それ以下となるとなかなか厳しいでしょう。音記憶とイメージ記憶を併用してコーナー(またはエッジ)を覚えることも可能ではあると思いますが、コーナー/エッジでイメージ記憶/音記憶を分ける時とは違い、後に分析記憶した方を先に実行するということが不可能になってしまうため、順番的にあまりよくないのではないか、と考えています(再び分析し直せばいいのかもしれませんがその分時間がかかってしまいます)。個人的には全てイメージ記憶で覚えてしまう方がいいのではないかと思っていますが、実際にやって比べたことがないのでわかりません。もしこの方法(音+イメージ併用)で上手く行った方がいれば報告下さると嬉しいです。

 どれくらいの文字数を音記憶で覚えられるかについては、このサイトを用いて簡易的に調べることができます。上のチェックを全て外し、個別追加文字に自分がステッカーに割り当てている文字を全て入力し、文字数を指定して出力することで文字列を作成できます(重複があるのが難点ですが、12文字くらいであれば大きな問題にはならないでしょう)。一回音読し、目を閉じて暗唱できるかどうか試してみると、自分の音記憶量の目安がわかります。
 
(以下の3段落は少し文章がわかりにくいと思うので、よくわからなければ飛ばし読みして頂いて大丈夫です)
 上記のサイトでは覚えられても、実際のキューブでは無理と思う人がいるかもしれません。確かに、実際のキューブでは分析の手間がありますし、実行している間も覚えていなければならずある程度記憶の定着度を強くする必要もあるため、文字をそのまま覚えてすぐに思い出せばいい先程のサイトよりも難易度が上がります。それでも、キューブでも分析と記憶を何回かに分割して繰り返し記憶すれば、最終的にサイトで覚えられた量と同じくらいの量を覚えられると思います。どういうことかというと、分析の手間と実行のタイムラグは、総記憶量よりも記憶に必要な分析回数により強く影響を与えている、ということです。BLDで用いる音記憶は短期記憶であり、短期記憶は一般的に覚えられる量が限られてくる(7個までしか覚えられない、ってよく言いますよね。実際には個人差がありますが)ためこのようなことが起こると考えられます。なので物凄い回数暗唱し長期記憶化すれば音記憶で覚えられる量を増やすことができますが、BLDにおいては現実的ではありません。分析の分割が必要なのは、短期記憶が分析により阻害されるため多少の暗唱で阻害された分をカバーする必要があるからだと考えられます。つまり分析を分割しても、結局の所やっていることは短期記憶です。
 要するに、初めのうちは分析と実行による負の影響が強いため、文字を短期記憶として覚えるために分析を何度にも分割する必要がありますが、分析と実行が上達していくと分割量を減らしても覚えられるようになります(一回の分析で記憶できる文字の量が増える)。しかし、その前後で最終的に覚えられる文字数はほとんど変わらないということです。
 もちろん何回も分析し記憶していくうちに、音記憶自体の能力が上がり覚えられる文字数が増える可能性はあります。しかし、個人的には短期記憶能力は練習により上げるのが難しい、と考えています。となると結局、練習しても記憶できる文字数はほとんど変わらず、変わるのは一度に分析して記憶できる量のみ、ということになります。といってもここが伸びれば全体のタイムも伸びてくるため、上達に大事な部分であることは変わりありません。意識を記憶よりも分析・実行に向けたほうがいい、ということですね。

●分析―記憶の移行
 直前の話とも関連してきますが、音記憶をする際、最初のうちは途中で暗唱せずに分析を1回で終えることはできないでしょう。分析の途中で暗唱し、忘れていたら分析し直し、の繰り返しだと思います。
 もちろん分析の回数を減らしたものの結局忘れてしまって分析し直すよりは、多少分析回数が多くても同じ場所の分析は1回しかしない方が速いです。ただ、上達のためには最終的には1回の分析で記憶できることを目標にすべきです。そのためには、1回の分析をぎりぎり忘れるか忘れないかくらいの長さまで伸ばして挑戦してみるのがいいでしょう。もちろん初めのうちは成功率は下がると思いますが、いずれその状態に慣れてきます。
 これは記憶を伸ばしている、という面も多少はあるかもしれませんが(音記憶といえども練習により多少は上達するかもしれません)、それよりも一度に分析可能な量の限界に挑戦することで、今の自分に可能なギリギリのラインを見極めている、と言った方が正しいかもしれません。練習していればステッカーと文字の対応がスムーズになってきますし、実行の速度が上がれば記憶の定着度も少なくて済みます。ただ、途中で暗唱する癖がついている場合その成長に気付くことができず、分析を複数回に分けたままにしてしまうことがあります。もしタイムが伸び悩んでいると感じた時は、暗唱癖をなくすよう意識すれば壁を越えられるかもしれません。

 音記憶の部分については自分もそこまで意識して練習してこなかったため、正確性については保障できません。記憶については個人差も大きいと思うので、ここまで色々書いておいてアレですがあまり鵜呑みにしない方がいいかもしれないです……。


[ビジュアル記憶]
 自分もあまり使っていないので、上達方法についてはよく分かりません。ただ、平均的なEO、COの数であれば、普通にBLDを練習しているうちに覚えられるようになると思います。どうしても使えないのであれば、文字に変換してイメージ記憶を利用した方がいいでしょう。


[イメージ記憶]
 ここではレターペアを使います。一番強固な記憶法で、上記の記憶法で覚えられない場合にはこれを使います。上二つの記憶法とは違い、練習により記憶力、記憶スピードが上昇しうるのがこの記憶法の特徴です。

 とはいっても、使いこなすには相当の訓練が必要です。二文字の組み合わせ(単純計算で22*21=462通り)全てについて何らかの人や物がすぐに浮かんできて、さらにそれを脳内でイメージでき、効果的なストーリーを作れる所まで上達するのは難しいです(自分もできていません)。一つ大切なのはイメージしやすいものを利用することです。形容詞や程度を表す文字はイメージしづらいと個人的には感じていますが、それも個人差によるものが大きいので自分でいろいろ試していきながら発見していきましょう。

 また、使用するイメージはあらかじめ用意してあるべきです。そのために表を作るのは効果的ですが、何もないところから一つずつイメージを決めていくのは面倒なので、最初から作る必要はないと思います。しばらくBLDを練習しているうちに、こういった時はこういうイメージを使おう、というのがなんとなくまとまってくるので、表はそれから必要に応じて作っていけばいいでしょう。

 イメージ記憶はとても奥が深く、自分も未だにわかっていないことが大量に存在します。現在MBLD(複数目隠しではイメージ記憶でほとんど全て覚えています)のためにイメージ記憶についていろいろ考え試行錯誤しているため、ある程度のことがわかったらまた別の記事にまとめる予定です。
 一つ言えるのは、自分でもまだまだ伸びしろがあると考えているため、イメージ記憶が苦手だと考えている人のうちほとんどはイメージ記憶を上手く使えていないのではないか、ということです。あるストーリーが思い出せなかった場合、その際のイメージする対象またはストーリ―の作り方になにか問題があると考え、改善していくことが上達への道だと考えています。


[身体記憶]
 記憶できる量が少ないのであくまでサブとしての利用価値しかないですが、意外と使える場面は少なくないです。手はキューブのホールドや回すのに使うので使えないので、主に足を利用することになります。自分は前述したように、足の親指の上下、かかとの上下を用いています。他にも探せばいろいろあるのではないでしょうか。
 余談ですが、自分はかかとの上げ下げでねじれループを覚えていますが、本番でこれをやった時に足が震えてしまい実行時に上手く回せなかったことがあります。このように、普段の家と会場で環境が違うと、身体記憶で支障が出る場合があります。その辺りは考えておいた方がいいでしょう。


【3. 実行】
[3-1] 文字列を思い出す
 思い出すまでが記憶です(一応、便宜上こちらのパートに入れましたが……)。3BLDという競技では思い出す時間もタイムに含まれてくるため、記憶を速く行っても思い出すのに時間がかかっていたら意味がありません。そのバランスは各自で見つけるしかないです。どれくらい記憶をしっかりやれば時間をかけずに思い出せるか、その最低限のラインを試行錯誤して見つけましょう。

[3-2] 文字に対応する場所を思い浮かべる(3点交換を用いるのであればこれを2回連続で行う)
 [1-1]で述べたものとは逆の操作(文字列→場所)になります。ここも大きな上達ポイントです。分析に慣れてくれば自然とここも楽になるでしょう。繰り返しになりますが、練習あるのみです。

[3-3] セットアップ手順やコミュテータの手順を考える(覚えていれば思い出す)
 セットアップ手順については、最初のうちは手順を思い出すというよりその場で考えるといった感じです。逆セットアップ手順については実行中に考えますが、一般的にある手順を逆に回すというのは難しく、頭を使います。指で覚えてしまうのが一番速いですので、セットアップ→交換手順→逆セットアップ手順 を普段から何度も回すことで体に染み込ませてしまいましょう。

[3-4] 実行する
 最初のうちは、[3-3]で思い出した手順を頭の中で考えながら回す必要がある(特に逆セットアップ手順)と思いますが、慣れてくると自然と指が動くようになってきます。そうなると、回転中に次何をすればいいか考える余裕が出てきます。これにより、回しているうちに次の文字列を思い出し手順を考えておくことで、手順間に手が止まる時間を減らすことができます。この技術を先読みと言い、これができると大幅にタイムが伸びてきます。ただ、そのためには文字列と場所の対応[3-2]、場所と手順の対応[3-3]がある程度スムーズにできている必要があり、発展的な技術ではあります。自分もまだ完璧にはできていないですが、もう一歩先へと進むには必要な技術です。
 特に3cycleの解法で先読みを完璧に行うのは難しいですが、2cycleの解法(Old Pochmannなど)では先読みがしやすいです。これらの解法で先読み力を身に付けるのも速くなる一つの手段です。

 実行が速くなれば、文字列などを覚えていなければならない時間が減るので、記憶を忘れにくくなり、記憶に掛ける時間も減ってきます。実行の速さ、というとたいていの人は指の速さを想像し、自分には伸ばせないだろう……と思うかもしれません。確かに指の速さは大事ですが、それ以外にも実行速度を上げる方法は上で述べたように色々あります。特に、先読みして手が止まらないようにする、というのはそもそも文字列の対応に慣れないとできませんし、それができていたとしても意識しないとなかなか難しいですが、逆に意識して行うことができればタイムがぐんと伸びると思います。
 平出君は、実行時に手を止まらないようにするのが、タイムを伸ばす方向性の中で一番簡単だ、と話しています。最初のうちは実行中は思い出すのに精一杯でそのようなことに意識を向けるのは難しいかもしれませんが、慣れてきたらこのようなことに挑戦していくといいでしょう。

●実行に利用するメソッドについて
 エッジ、コーナー共にOld Pochmann法を用いるのが一番わかりやすい解き方ですが、エッジについてはM2法を用いた方が明らかに手数が少なくなります。手数が少ないと実行時間を短縮できるだけでなく、そのことにより記憶時間も減らすことができるためだいぶ速くなりますし、例外パターンはあるものの少ないため習得の手間もそこまで大きくありません。速く解くことを目標にするなら多少無理してでもM2法に移行すべきです。
 1分ぐらいまではエッジM2法、コーナーOP法で行けます。先読みを完璧に行うことができればもっと早くなれるかもしれないですが、個人的にはそこまで無理せずに3点交換の解法に移行してもいいのではないか、と思います。もちろん、先読みに慣れてから移行するのも全然ありです。平出君はそちらの方を推奨しています。

 3styleを習得する時期については諸説ありますが、BLD(特に文字とステッカーの対応)に習熟している方が3styleの習得も早くなるので、一般的な目安としては1分~1分10秒くらいのタイムがぽつぽつ出るくらい速くなってからかな、と考えています。ただ3styleについて理解するとキューブでいろいろ遊べるようになって楽しいので、そこまでのタイムが出なくても、興味を持ち、やりたいと思った時に学び始めればいいと思います。
 3点交換の解法は最初のうちは頭を使いますが、慣れてくれば実行時間短縮により記憶を忘れにくくなり、記憶時間も短くなります。そこに至るまで練習量は必要ですが、単純な記憶力を伸ばすよりは楽だと自分は考えています。

 その他に、3点交換を利用する方法にTuRBoという方法がありますが、自分は使ったことがないのでよくわからないためここでは詳しく言及しません。個人的には、この方法を学ぶくらいだったら一気に3styleに移行していいんじゃないかな、と思っています。3style移行にはコーナー、エッジそれぞれに1ヶ月くらい掛かりました(後述)が、どうせ移行するのなら、と思いじっくり取り組みました。それだけの価値がある解法ですが、当たり前ですが時間をかけないと習得できないので、時間に余裕がなさそうなのであれば止めておいて、2cycleの解法を洗練させるかTuRBoを学んだ方がいいかもしれません。

 3styleは、バッファに何を選ぶかによって様々なバリエーションがあります。手順の回しやすさ自体にはあまり差がないらしいので争点はパリティ処理のやりやすさですが、正直最適解はよくわかりません。エッジとコーナーのバッファが近い方がいいとはよく言いますし直感的にも正しそうですが、それによる利点を得るためには様々なエッジ2点コーナー2点交換を知っていて、それにセットアップする事が必要になってきます。これは相当レベルが高いですが、世界トップレベルの人は行っているみたいです。ただ、正直Old Pochmann法+交換分析法での処理が相当優秀で、残ったエッジ2点コーナー2点の処理を最適化したものと比べても手数は多くても10手ほどしか変わりません(詳しくはこの記事を参照)。平均は計算してませんが、だいたい4,5手、秒数にして1秒ほどの差でしょうか。これだけの差を詰めるためにたくさんのエッジ2点コーナー2点交換を覚え、セットアップについてもある程度定式化する、というのはあまり効率が良くないように感じてしまいます。まずは他の伸びうる部分を伸ばすのが先でしょう。
 そしてバッファに最適解があったとしても、3styleの勉強し始めはバッファを選んでいる余裕はあまりないでしょうから、わかりやすい場所(今まで使っていた場所や解説の充実した場所)をバッファにしていいと思います。一度習得してしまえば、他のバッファの手順を作り出すコツも何となくわかるため、移行も最初ほどの手間はかからないでしょう(自分は移行したことないですが……)。

●3styleへ移行するための練習法
 人によって練習法は様々で、どれが最善なのかはわかりませんが、参考のために自分がどうやって移行したか書いてみます。
 まずコーナーとエッジどちらから先に移行するかですが、個人的にはコーナーから移行することをお勧めします。何故かというと、コーナーOld pochmann法/エッジM2法で解いている場合、エッジを3styleに移行するよりもコーナーを移行した時の手数の短縮が圧倒的に大きいからです。もしどちらかのみ移行するのであれば、コーナーのみ移行するのが圧倒的にオススメです。難点としては、個人的な感想ですがエッジよりもコーナーの3styleの方が作りづらい点が挙げられます。
 具体的な移行方法ですが、まずコミュテーターの基本原理について勉強し、コミュテーターを自分で作り出せるようになるのが先決です。ただ原理がわかっても実際に作れるようになるためには慣れが必要なので、その際に解説サイトを参考にするといいと思います(バッファ:ULB / DRF / DF)。もちろんこれらのサイトに全ての手順が載っているわけではないので、一部の手順については自分で作る必要があります。手順表というものも存在はしますが、最初のうちはなるべく見ないで作ってみることをお勧めします。
 自分は、最初の1,2週間で一通りの手順をエクセルの表にまとめてしまいました。実際に揃えながら考えて作っていくのもいいですが、それだと同じパターンに遭遇した時に違う手順を考えてしまう可能性があり、手順の定着が遅れてしまうと思ったからです。表にまとめる際、手順を回転記号でそのまま載せるのではなく、こういう場合はこうする、といった考え方のみ載せています。また、こういう場合はこういうセットアップを優先して行う、といった考え方についてもメモ帳にまとめたりしました(下図)。最初のうちは回しやすさよりも分かりやすさを優先すべきだと考えています。一旦3styleに慣れてしまえば、手順の変更はいつでもできます。
cornerbhmethod

 一通り手順が決まってからはひたすら練習です。自分はコーナー、エッジそれぞれ分けて(コーナーはコーナーのみ、エッジはエッジのみ揃える)練習をしていました。今まで使っていた解法と同じくらいのタイムが出せるようになってから通しの練習に切り替えるといいのでは、と思います。



4. その他のタイムに関係する要素

 ここでは、BLDの技術以外に気を付けるべき点について書いていきます。

●大会時の疲労について
 本番でいいタイムを出すためには当然実力を伸ばすのは必要不可欠ですが、しっかりコンディションを整えることもとても大事です。BLD競技にもそれは当てはまりますし、特にBLDではDNFの確率も上がってしまい最悪の場合成績を残せない、ということになりかねません。
 前日の睡眠については当然欠かせないため下で詳しく触れますが、当日競技までの時間に何をしているかも大事だと思います。本番が怖くなって練習したくなる気持ちはとてもよくわかりますが、それで脳の体力を浪費してしまうと、いざ本番で力が出せなくなり、あれ?さっきはうまく行ってたのに……なんてことになりかねません(今年のアジア大会の予選の時こんな感じでした)。世界トップレベルの人はひたすら練習しまくっててかつそれで結果を出す人もいますが、個人的には(特に体力に自信のない人は)大会当日はBLDの練習は控えた方がいいのかな、と考えています。

●睡眠
 寝不足はBLDの敵です。BLDに限らず何についてもこのことは言えると思いますが、特にBLDへの影響は顕著だと思っています。やはりBLDは特に頭を使い集中力を要する競技なので、睡眠不足によるパフォーマンス低下が他の競技に比べて大きいような気がします。
 特に、大会前日はしっかり寝るべきです前日1時間練習するよりもその1時間多く寝たほうが絶対にいいです。生活リズムが崩壊していてどうしても早く寝れないのであれば、BLDより前の競技には参加せずにゆっくり起きるというのも一つの手です(ジャッジなどが入る可能性もありますが)。
 自分の経験談になりますが、関東に住んでいるため今年の関西大会が初遠征でした。移動に夜行バスを使うことも考えましたが、以前夜行バスを利用した際にあまり満足に寝れなかったことから断念し、18きっぷで前日入りして一泊することにしました。そのおかげか、当日はしっかり調子を出せ結果を残すことができました。遠方にお住まいの方はそういった工夫も難しいと思いますが、それだけのお金をかける価値はあると思います。
 また、長期休暇中の大会は割と調子がいいことが多いのですが、それ以外の土日にあるような大会だと、平日の寝不足をそのまま引きずってしまいあまり調子が出ないことがほとんどでした。平日からしっかりリズムを整えておくのが一番ですが、なかなか難しいです……。

●疲労時の練習について
 先程は大会時のコンディションについて述べましたが、大会でコンディションがいい時にベストを尽くすためには、練習でも同じコンディションを設定するのが最善でしょう。ですが、そこまで準備できる余裕のある人はほとんどいないと思います。なので多少疲れている状態でも練習するのは悪くないですし、しばらくするとだんだん疲労に慣れてくる、といったこともあります。
 ただ、1,2時間も練習していると流石に疲れてきて、記憶力が落ちて頭に情報が入らなくなり、成功率やタイムが落ちる時間帯があると思います(これには個人差があるでしょう)。この状態で練習するのが無意味という訳では全くなく、量をこなすという意味ではむしろいい事なのですが(自分もつい続けてしまうことがよくあります)、同じ練習なら疲労していないときにやった方が効率がいいのは当然です。そしてもしそれを押して練習するのであれば、この状態が自分のベストなパフォーマンスではなく疲労している状態なんだという自覚を持って、元気な状態で逆にその状態でのやり方に引きずられないことが大事です。



5. おわりに

 ここまで長々とお疲れ様でした。現状で自分が3BLDについて書けること、つまり自分が3BLDで成長するために意識したこと、考えてきたこと、やってきたことについてはこれで一通り書いたつもりです。BLDについては言語化された解説が少なく、特に実際にやっていることについて細かく書かれた文献は存在しないため、自分で作ってみようと思いここまで書いてきましたが、そもそも需要ってどれくらいあるんですかね……。これを参考にタイムが伸びた人がもしいたら嬉しいです。もしここは違うと思う、ここが不足している、などなどありましたら記事を書いたりして情報を追加して頂けると嬉しいです。

 練習すれば伸びるということが言いたくてこのような記事を書いたため、この記事を読んで自分にもできそうだし練習してみよう、とモチベーションが上がった人がいたら嬉しいです。ただ、大きく成長するためにはその練習を継続する事が必要で、そのためには上がったモチベーションを長期的に維持しなければなりません。これが本当に難しく、一概にこうすればいいなどといったものは存在しないですが、自分はまだこなしていない事がたくさんあるんだという意識を持つことは一つの手段じゃないかな、と思います。また、タイムの近いライバルがいるとモチベーションの維持にもつながると思います。そして何より、BLDを楽しむということが一番重要かもしれません。

 目隠しでキューブを揃えられるだけでも楽しいですが、さらに速く揃えられることができればもっと楽しめます。1分ぐらいで揃えられるようになれば、気軽に人前で披露することもできます(ドン引きされたこともあるので注意が必要ですが……)。是非、目隠し競技の世界をもっと味わって欲しいと思います。応援しています。


 最後になりましたが、この記事ではさまざまなサイトのURLを参照させて頂きました。この場を借りてお礼申し上げます。もし載せないでほしい、という方がいればお手数ですが一報頂ければ削除いたします。
 また、平出君にはアドバイスなどいろいろ頂き、とても勉強になりました。ありがと~

 日本の目隠し競技界がより一層発展することを祈っています。
 おわりだよ~
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Y.Y

Author:Y.Y
3BLD,MBLDをメインにやっています。

公式記録
3BLD 1/3: 30.62/34.85
MBLD 18/20

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