5BLD +センターコミュテータ解説(Ulバッファ)
- 2019/01/27
- 21:53
ここでは、5×5×5目隠し競技(5BLD)で必要になってくる、+センターコミュテータについて解説していきます。そもそも5BLDの解き方がわからないという場合は5BLD入門を見て下さい。
先程のサイトにも書いてある通り、初学者におすすめのセンター解法は【U2法】というものです。これはM2法と同様に、2点交換の動き(U2法ではU2)を用いて1パーツずつ揃えていくもので、文字と手順が1対1に対応するのでとてもわかりやすいです。3BLDでも、まずは2点交換の解法を用いて分析や記憶・実行に慣れてから3点交換の解法に移行するというのが上達する上でのセオリーなので、5BLDを初めてやるという人はセンターもU2法から勉強するのがいいと思います。
ただ、4BLDのセンターコミュテータ(xセンター)の解説でも書いた通り、センターコミュテータは比較的簡単(+センターはxセンターよりも簡単だと思います)なので、ある程度コミュテータに慣れている人か、もしくはU2法でセンターのBLD解法に慣れている人であればすぐに習得できると思います。
とはいっても自力で作るには自由度が高く、かといって手順表(Grahamの手順表)は複雑でわかりづらいので、この記事では入門用として、センターの配置によって4パターンに分類し、それぞれのケースでどう回せばいいかという考え方について解説しています。この記事を読み、理解すれば全ての手順を作り出せるようになるはずです。ぜひ試してみて下さい。
そもそもコミュテータがよくわからない方は、まずはTRCCのサイトをご覧ください。
ここではバッファはUl(U面の+センターパーツのうちL面側にある物、という意味)に指定して解説しています。4BLDのセンターコミュテータと同様、U面であればどこでもやりやすいと思いますが、世界ではUlバッファが主流のようで、実際確かに回しやすいためここではUlバッファで解説していきます。
+センターコミュテータは交換したい二つのステッカーの位置から大きく4つに分類されます。
・1. 側面+側面
・2. 側面+D面
・3. U面+側面
・4. U面+D面
(U面+U面とかD面+D面のパターンはないです。4BLDのセンターと同様です)
上から順に説明していきます。
1. 側面+側面
例1-1)Ul, Fu, Ru
M'UMの動きでUlがFuにインサートされます。また、uの動きでRuがFuに動くので、インターチェンジはuです。
よって、手順はM'UM u M'U'M u' となります(これをインサート、インターチェンジのみ取り出して[M'UM,u]と書きます)。
例1-2) Ul, Lb, Fl
y[r'Ur, E']
例1-3) Ul, Br, Ru
このままではコミュテータを行える位置関係ではないですが、R'でRuをRfにセットアップします。そうするとEの動きでRfがBrへ移動し、またr'U2rの動きでUlがBrにインサートされるので、コミュテータを行えます。
よって、手順は[R':r'U2r, E]となります。(ここで:の前の回転記号はセットアップを意味しています)
【解説】
例1-1,1-2のように、U面を側面のいずれかのステッカーにインサートするのがこの場合のコミュテータの基本的な作り方です。
さらに、例1-3のように側面を自由に動かしてセットアップすることで、二つのステッカーをインターチェンジ可能な関係に簡単に持ち込めます(上で述べた、センターコミュテータが習得しやすい理由です)。
以上をまとめると、側面+側面ケースでコミュテータを作る際のステップは以下の通りになります。
1. 交換したい2つのステッカーのうち、U面パーツを3手でインサートできるステッカーを選ぶ
2. もう一方のステッカーを、先程のステッカーとインターチェンジの関係になるようにセットアップする
3. ピュアコミュテータを実行する
4. 逆セットアップを行う
このやり方で探せば、基本的にセットアップは1手以下で済みます。逆セットアップで間違えやすいので注意です。
ただ、この方法では上手く行かないケースも稀にあります。例えばUl, Ru, Luでは、Ru, Lu共にUlを3手でインサートできません。この場合は、しょうがないですが最初にUもしくはU'で1手セットアップしましょう(3手インサートにUを加えた4手インサートと考えても可。こう考えた方が、更にセットアップが必要な場合に、セットアップ2手の順番を気にしなくて済むので楽だと思います。例えば、Ul,Ru,Ldについては[L:Ul'U'l,u']とするのがいいと思います)。
2. 側面+D面
例2-1)Ul,Fu,Df
下で説明しますが、F面+D面パターンに該当します。F'セットアップにてUl-Fl-Dfとなりピュアコミュテータ可能な位置関係に持ち込めます。よって手順は[F':UM2U', l']となります。
例2-2)Ul,Lu,Db
この場合はL面+D面パターンに該当します。L2,D2でセットアップすることでUl-Ld-Dfとなりコミュテータに持ち込めます。手順は[L2D2y':U'r2U,M']となります。詳しくは下で解説します。
【解説】
このケースでは最適化しようとするととても複雑になってしまうため、どの側面にパーツがあるかに応じてパターン化してしまった方がわかりやすくて良いと思います。
・F面+D面
Ul-Fl-Dfにセットアップし、[UM2U', l']
・B面+D面
Ul-Bl-Dfにセットアップし、[UM2U',l]
・R面+D面
Ul-Ru-Dfにセットアップし、y'[U'r2U, M]
・L面+D面
Ul-Ld-Dfにセットアップし、y'[U'r2U, M']
D面は常にDfへセットアップ、側面は面に応じて決まった場所へセットアップしています。セットアップに2手かかることもありますが、その分単純でわかりやすいため、始めたばかりのうちはこのやり方を推奨しています。
また、セットアップが2手の場合どちらを先に回したか忘れてしまうと、逆セットアップで崩れてしまいます。そのため、2手セットアップが必要な時は必ず側面を先に回す、と決めておくことでミスを減らせます(側面→D面→コミュテータ→D面→側面)。実際、例2-2ではセットアップはL2D2でもD2L2でも可能ですが、ここではL2D2としています。
3. U面+側面
例3-1)Ul,Ur,fr
[l'E2l,U2]
例3-2)Ul,Uf,Ru
[R':lE'l',U]
【解説】
このパターンも側面+D面と同様に、側面によってどこへセットアップするか決めておくと楽です。
・F面
Frにセットアップし、l'E2lでUlへインサート(インターチェンジはもう一方のU面パーツの場所に応じて適宜)
・B面
Brにセットアップし、lE2l'でUlへインサート
・R面
Rfにセットアップし、lE'l'でUlへインサート
・L面
Lbにセットアップし、lEl'でUlへインサート
ただ、側面のパーツは比較的簡単にU面へインサートすることが出来るので(是非考えてみて下さい)、必ずしもこの形に持って行く必要はないです。なかなか手順が思いつかない時の最後の手段として、このような方法を決めておくと安定します。
4. U面+D面
例4-1)Ul,Dl,Ur
y'[M'u2M, U2]
例4-2)Ul,Dr,Ub
[D:Mu2M', U]
【解説】
M'u2Mというインサート手順(DfをUfへインサート)があります。D面を全てDlへセットアップし、y'持ち替えしてこの手順を使えば、簡単にこの分類に含まれる全てのパターンを処理できます。ただ持ち替えが増えてしまい時間がかかるので、ここではU面のパーツごとに分類することでちょっとでも持ち替えを減らせるようにしてみました。
・Uf+D面
D面パーツをDfへセットアップし、M'u2MでUfへインサート
・Ub+D面
D面パーツをDbへセットアップし、Mu2M'でUbへインサート
・Ur+D面
D面パーツをDlへセットアップし、y' M'u2MでUlへインサート
(もしくは、Drへセットアップし、y' Mu2M'でUrへインサート。上2つと交換の向きが同じになるのでこの方がわかりやすいかも)
ここまでの説明でいくつか例を出して説明しましたが、あくまで自分が考えた例であり、もっと回しやすく分かりやすい手順があるかもしれません。その場合は適宜置き換えて使って頂ければと思います。+センターコミュテータは自由度が高いので色々できて面白いと思います。
慣れてきたら、速い人の手順表(Grahamの手順表)を見て、手順を勉強しましょう。回しづらいと感じた手順からちょっとずつ変えていくのでいいと思います。
(以下はxセンター解説と同じこと書いてます)
ここまででセンターコミュテータについて一通り説明を終えたことになるので、+センターをコミュテータで解けるようになった……と言いたいところですが、もちろん実際はなかなか難しいです。そもそも考えるのに時間がかかるうえに、ミスも頻発すると思います。ミスりやすい部分としては、側面+側面パターンでのインサートの2手目が90°か180°かの判別や、セットアップ・逆セットアップの回し間違いが多いでしょうか。これについては量をこなして慣れていくしかないです。ちなみに自分はキューブを見ながらコミュテータを回す練習の他に、6文字くらいずつ分析した後見ないでコミュテータで実行するという練習をしていました。センターのパートのみで記憶・実行しタイムを記録するのもいいと思います。
先程のサイトにも書いてある通り、初学者におすすめのセンター解法は【U2法】というものです。これはM2法と同様に、2点交換の動き(U2法ではU2)を用いて1パーツずつ揃えていくもので、文字と手順が1対1に対応するのでとてもわかりやすいです。3BLDでも、まずは2点交換の解法を用いて分析や記憶・実行に慣れてから3点交換の解法に移行するというのが上達する上でのセオリーなので、5BLDを初めてやるという人はセンターもU2法から勉強するのがいいと思います。
ただ、4BLDのセンターコミュテータ(xセンター)の解説でも書いた通り、センターコミュテータは比較的簡単(+センターはxセンターよりも簡単だと思います)なので、ある程度コミュテータに慣れている人か、もしくはU2法でセンターのBLD解法に慣れている人であればすぐに習得できると思います。
とはいっても自力で作るには自由度が高く、かといって手順表(Grahamの手順表)は複雑でわかりづらいので、この記事では入門用として、センターの配置によって4パターンに分類し、それぞれのケースでどう回せばいいかという考え方について解説しています。この記事を読み、理解すれば全ての手順を作り出せるようになるはずです。ぜひ試してみて下さい。
そもそもコミュテータがよくわからない方は、まずはTRCCのサイトをご覧ください。
ここではバッファはUl(U面の+センターパーツのうちL面側にある物、という意味)に指定して解説しています。4BLDのセンターコミュテータと同様、U面であればどこでもやりやすいと思いますが、世界ではUlバッファが主流のようで、実際確かに回しやすいためここではUlバッファで解説していきます。
+センターコミュテータは交換したい二つのステッカーの位置から大きく4つに分類されます。
・1. 側面+側面
・2. 側面+D面
・3. U面+側面
・4. U面+D面
(U面+U面とかD面+D面のパターンはないです。4BLDのセンターと同様です)
上から順に説明していきます。
1. 側面+側面
例1-1)Ul, Fu, Ru
M'UMの動きでUlがFuにインサートされます。また、uの動きでRuがFuに動くので、インターチェンジはuです。
よって、手順はM'UM u M'U'M u' となります(これをインサート、インターチェンジのみ取り出して[M'UM,u]と書きます)。
例1-2) Ul, Lb, Fl
y[r'Ur, E']
例1-3) Ul, Br, Ru
このままではコミュテータを行える位置関係ではないですが、R'でRuをRfにセットアップします。そうするとEの動きでRfがBrへ移動し、またr'U2rの動きでUlがBrにインサートされるので、コミュテータを行えます。
よって、手順は[R':r'U2r, E]となります。(ここで:の前の回転記号はセットアップを意味しています)
【解説】
例1-1,1-2のように、U面を側面のいずれかのステッカーにインサートするのがこの場合のコミュテータの基本的な作り方です。
さらに、例1-3のように側面を自由に動かしてセットアップすることで、二つのステッカーをインターチェンジ可能な関係に簡単に持ち込めます(上で述べた、センターコミュテータが習得しやすい理由です)。
以上をまとめると、側面+側面ケースでコミュテータを作る際のステップは以下の通りになります。
1. 交換したい2つのステッカーのうち、U面パーツを3手でインサートできるステッカーを選ぶ
2. もう一方のステッカーを、先程のステッカーとインターチェンジの関係になるようにセットアップする
3. ピュアコミュテータを実行する
4. 逆セットアップを行う
このやり方で探せば、基本的にセットアップは1手以下で済みます。逆セットアップで間違えやすいので注意です。
ただ、この方法では上手く行かないケースも稀にあります。例えばUl, Ru, Luでは、Ru, Lu共にUlを3手でインサートできません。この場合は、しょうがないですが最初にUもしくはU'で1手セットアップしましょう(3手インサートにUを加えた4手インサートと考えても可。こう考えた方が、更にセットアップが必要な場合に、セットアップ2手の順番を気にしなくて済むので楽だと思います。例えば、Ul,Ru,Ldについては[L:Ul'U'l,u']とするのがいいと思います)。
2. 側面+D面
例2-1)Ul,Fu,Df
下で説明しますが、F面+D面パターンに該当します。F'セットアップにてUl-Fl-Dfとなりピュアコミュテータ可能な位置関係に持ち込めます。よって手順は[F':UM2U', l']となります。
例2-2)Ul,Lu,Db
この場合はL面+D面パターンに該当します。L2,D2でセットアップすることでUl-Ld-Dfとなりコミュテータに持ち込めます。手順は[L2D2y':U'r2U,M']となります。詳しくは下で解説します。
【解説】
このケースでは最適化しようとするととても複雑になってしまうため、どの側面にパーツがあるかに応じてパターン化してしまった方がわかりやすくて良いと思います。
・F面+D面
Ul-Fl-Dfにセットアップし、[UM2U', l']
・B面+D面
Ul-Bl-Dfにセットアップし、[UM2U',l]
・R面+D面
Ul-Ru-Dfにセットアップし、y'[U'r2U, M]
・L面+D面
Ul-Ld-Dfにセットアップし、y'[U'r2U, M']
D面は常にDfへセットアップ、側面は面に応じて決まった場所へセットアップしています。セットアップに2手かかることもありますが、その分単純でわかりやすいため、始めたばかりのうちはこのやり方を推奨しています。
また、セットアップが2手の場合どちらを先に回したか忘れてしまうと、逆セットアップで崩れてしまいます。そのため、2手セットアップが必要な時は必ず側面を先に回す、と決めておくことでミスを減らせます(側面→D面→コミュテータ→D面→側面)。実際、例2-2ではセットアップはL2D2でもD2L2でも可能ですが、ここではL2D2としています。
3. U面+側面
例3-1)Ul,Ur,fr
[l'E2l,U2]
例3-2)Ul,Uf,Ru
[R':lE'l',U]
【解説】
このパターンも側面+D面と同様に、側面によってどこへセットアップするか決めておくと楽です。
・F面
Frにセットアップし、l'E2lでUlへインサート(インターチェンジはもう一方のU面パーツの場所に応じて適宜)
・B面
Brにセットアップし、lE2l'でUlへインサート
・R面
Rfにセットアップし、lE'l'でUlへインサート
・L面
Lbにセットアップし、lEl'でUlへインサート
ただ、側面のパーツは比較的簡単にU面へインサートすることが出来るので(是非考えてみて下さい)、必ずしもこの形に持って行く必要はないです。なかなか手順が思いつかない時の最後の手段として、このような方法を決めておくと安定します。
4. U面+D面
例4-1)Ul,Dl,Ur
y'[M'u2M, U2]
例4-2)Ul,Dr,Ub
[D:Mu2M', U]
【解説】
M'u2Mというインサート手順(DfをUfへインサート)があります。D面を全てDlへセットアップし、y'持ち替えしてこの手順を使えば、簡単にこの分類に含まれる全てのパターンを処理できます。ただ持ち替えが増えてしまい時間がかかるので、ここではU面のパーツごとに分類することでちょっとでも持ち替えを減らせるようにしてみました。
・Uf+D面
D面パーツをDfへセットアップし、M'u2MでUfへインサート
・Ub+D面
D面パーツをDbへセットアップし、Mu2M'でUbへインサート
・Ur+D面
D面パーツをDlへセットアップし、y' M'u2MでUlへインサート
(もしくは、Drへセットアップし、y' Mu2M'でUrへインサート。上2つと交換の向きが同じになるのでこの方がわかりやすいかも)
ここまでの説明でいくつか例を出して説明しましたが、あくまで自分が考えた例であり、もっと回しやすく分かりやすい手順があるかもしれません。その場合は適宜置き換えて使って頂ければと思います。+センターコミュテータは自由度が高いので色々できて面白いと思います。
慣れてきたら、速い人の手順表(Grahamの手順表)を見て、手順を勉強しましょう。回しづらいと感じた手順からちょっとずつ変えていくのでいいと思います。
(以下はxセンター解説と同じこと書いてます)
ここまででセンターコミュテータについて一通り説明を終えたことになるので、+センターをコミュテータで解けるようになった……と言いたいところですが、もちろん実際はなかなか難しいです。そもそも考えるのに時間がかかるうえに、ミスも頻発すると思います。ミスりやすい部分としては、側面+側面パターンでのインサートの2手目が90°か180°かの判別や、セットアップ・逆セットアップの回し間違いが多いでしょうか。これについては量をこなして慣れていくしかないです。ちなみに自分はキューブを見ながらコミュテータを回す練習の他に、6文字くらいずつ分析した後見ないでコミュテータで実行するという練習をしていました。センターのパートのみで記憶・実行しタイムを記録するのもいいと思います。
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